【怖い話】闇を感じる前任者
今からかれこれ20年くらい前のことです。本社から支社へ社員を派遣しては呼び戻し、新しい社員を派遣するシステム会社に所属していました。
本社は都会、支社は田舎で、そう決められているわけではないのですが、独身の人が派遣されていました。さほど大きな会社ではないので、数年、働いたころに私も声をかけられ、行くことになりました。
本社にいる時は実家から通っていましたが、支社は遠くて会社が支社に行く人用に借り上げているお世辞にも新しいとはいえないアパートに住むことになりました。
ちなみに、私の前に住んでいた人は親しくはないけれど、顔は知っている3年上の先輩でした。超美人という訳ではないけれど、すっとしていて綺麗な人でした。引継ぎなどで話しても感じが良かったので、今度住むところも、中古の年季の入ったアパートとはいえ、この人の後ならきちんとしてそうと思いました。
支社に転属になる数日前、私はそのアパートに入りました。
予想していた通り、古かったのですが綺麗でした。家具なども、これまで来た人たちが残していったものがあって、買わなくて大丈夫でした。とはいえ、一応、掃除をと思い掃除をしました。すると、色々なところから針が出てきました。
最初に見つけたのは冷蔵庫です。冷蔵庫の中をふいたところ、扉のパッキンのところにべたつきを感じました。
除菌シートを使いパッキンの隙間をなぞるとチクンとしたのでそれを取ると、縫い針でした。