車椅子のJKさん「助けて…押してるこの人、知らない人です……。」→
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/08/21(土) 02:46:24.732 ID:3/cOVFNi0
みたいな話をひとつ
2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/08/21(土) 02:46:56.022 ID:9Lhu0dFo0
こわい
8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/08/21(土) 03:13:35.285 ID:lPfnRRKq0
気まぐれな小旅行のつもりだった。
鬱屈とした日々のストレスを吹き飛ばすため、ふと思い立って港町を訪れた。
鬱屈とした日々のストレスを吹き飛ばすため、ふと思い立って港町を訪れた。
午後を随分と過ぎていたこともあり、いかにも地元といった風情の店は、どこも昼食の営業を終えていた。
せっかく遠出したのに、いつもと代わり映えのしないファストフード。
それはそれでまあいいか、と思えたのは爽やかな潮風のおかげだろうか。
勝手知ったるバーガーの味をケチャップで歪ませながら、またブラブラと歩き出す。
どこに向かうでもなく歩いていたつもりが、いつの間にか駅に逆戻りしていた。
しばらく考え、帰りは一駅分歩いてみることにした。
線路沿いに伸びる道を、抜けるような青空とどこまでも膨らむ入道雲を眺めながら行く。
こんな暑い時間帯に外に出るのは余所者くらいなのか、車も人もいない道をひたすら歩く。
と、遠くで何かが揺れるのが見えた。
歩を進める内にどんどん近付いて、やがて車椅子に座った少女と、それを押す男だと判った。
道の先には陽炎が揺らめき、クラクラとするような眩しい日差しの中、その二人は項垂れたままキイキイと車椅子の音だけが鳴り……何か恐ろしいものを見たような心地だった。
何を失礼なと己を戒め、努めて平静を装いながら追い越す。
「助けて」
耳元で喋っているのかと疑うほど明瞭に聞こえた声に、心臓が跳ね上がった。
しかし違う。何かおかしなことを、今、何と言った?
「助けて…押してるこの人知らない人です…」