2つのブラックホールが偶然に衝突し、未だかつてない時空の波紋を広げる
ブラックホール同士が衝突したとき時空に広がる波紋は、この謎めいた天体について多くのことを教えてくれる。
2019年5月に検出された重力波「GW19052」は、ほかに例のない非常に珍しいものだった。
これまでに90個ほど観測されたブラックホールの衝突のほとんどは、「連星ブラックホール(二重ブラックホール連星)」によるのものだ。つまり2つの恒星で構成された連星が2つのブラックホールとなり、互いに引きつけ合って衝突したものだ。
だが「GW19052」は、宇宙をさまようブラックホール同士が偶然に出会い、激しく衝突して1つのブラックホールに合体したときに発生した可能性があるという。
もし本当なら、このようなブラックホールの”動的な出会い”の初の観測事例になるそうだ。