人間の耳は魚のエラから進化したもの。その証拠となる化石が発見される
私たちが音を聴く上で重要な働きを果たしているのが外耳と内耳の間にある「中耳」だ。ここには小さな3本の骨があり、振動することで音を内耳に伝え、神経シグナルに変換される。
化石の研究によって、中耳の起源は魚のエラ穴(呼吸孔)であろうことは知られていた。だが大きな謎だったのは、最初に呼吸孔を進化させた脊椎動物は何だったのかだ。
20世紀の研究者は、初期の脊椎動物には、下顎と舌弓の間に完全なエラを持っていたに違いないと、100年以上にわたってその痕跡を探し続けてきたが、今の今まで見つけられなかった。
しかし今回、その謎を解く手がかりが発見されたそうだ。それは過去20年の調査で発掘されたアゴのない魚「ガレアスピス」の化石だ。
この研究は『Frontiers in Ecology and Evolution』(2022年5月19日付)に掲載された。