魚の水銀汚染は水銀の流出を止めることで速やかに回復することが判明
水銀はもともと自然界に存在するものだが、人間の活動によっても排出される。それらは様々な経路を経て川や湖、海に流れ込み、魚の体に入り込む。
更に生態系での食物連鎖を通じて、より上位の捕食者の体内に濃縮されていく。「生物濃縮」と呼ばれるものだ。その為マグロやメカジキ、サケやノーザンパイクなど、大型魚類ほど水銀が蓄積されることとなる。
厚生労働省でも、特に水銀含有量の高い魚介類を偏って多量に食べることを避けるよう促しているが、魚たちの体は思ったより適応力があるようだ。
カナダ、クイーンズ大学や米地質調査局などの研究グループは、湖に水銀を垂れ流すと魚の水銀汚染が急速に進むが、それを止めれば同じ速度で回復することを発見。その結果を『Nature』(21年12月15日付)で発表している。